税務ブログ
2017年7月5日 水曜日
120年ぶりの民法大改正
こんにちは!
梅雨が始まりましたが皆様体調を崩されたりしていませんか?今年の梅雨明けは気象庁からの現在の情報では関東圏は7月21日のようです。そんなに続くの・・・と思いましたが、昨年は7月29日だったようで、これでも短い方のようですね^^;
さて、5月26日の国会で120年ぶりの民法大改正についての法案が可決・成立しました。今回はその改正内容について実務で関わりがありそうな部分をピックアップしてご説明させて頂きます。
改正のメインは債権債務に関する内容で、知っておかないと落とし穴にはまってしまう。というようなことも考えられますので、一度押さえておいて損はないかと思います。特に不動産業や貸金業の従事者については注目すべき内容です。
○施行時期
実際に施行されるのは3年後の2020年を目途としているようです(まだ先なので改正の準備期間は充分にありますね)。
○改正の概要(一部のみ)
①時効について
・改正前
一般債権は10年。
商行為により生じた債権は原則5年。
例外として飲食業や小売業など一部の商行為により生じた債権については1年あるいは2年など、短期に時効期限が到来します。
・改正後
債権の消滅時効の時効期間が5年に統一。
債権の存在を知らなかった場合などは債権発生から10年。
②連帯債務について
・改正前
AからB・C・Dが共同で何かを仕入れ、その代金を支払わなかった場合に、AがDに対してのみ代金を請求した時には、『BとC』も含めて時効の期限がその請求があった時点から再計算(これを『時効の中断』といいます)されることになります。
・改正後
上記の場合において、B・Cについては時効の中断はなく、そのままにしておくと仕入の時から5年を経過した時点で債権は消滅してしまうこととなってしまいます。
このような事態を防ぐためには、債権者は債務者各人へ請求するか、もしくは、契約時に特約として改正前と同様に取扱う旨(『絶対的効力』が発生する旨)を特約として契約書に記載することが必要になります。
③保証債務について
・改正前
(イ)事業用借入の際に債権者が認めれば誰でも個人保証人を立てることが可能。
(ロ)貸金以外の債務(賃貸借契約や継続的売買取引契約等)の保証人については契約書にその人の署名・捺印があれば有効。
・改正後
(イ)事業用借入の際に経営者・オーナー以外の者が個人保証人となる場合は、公正証書で保証人となろうとする意思を示さなければなれない(経営者・オーナーについては今まで通り)。
(ロ)貸金以外の債務(賃貸借契約や継続的売買取引契約等)の保証人については契約書に単にその人の署名・捺印を記載するだけではなく、極度額を定めてそれを記載しなければ無効。
④法定利率について
5%(商事法定利率は年6%)から3%へ変更。
その後3年毎に見直し。
○まとめ
今回の民法改正は、過去の判例理論を明文化するという意味合いが強く、債権債務の取扱いに関する考え方が根本から変更されるものではありません。但し、賃貸借契約における保証人を立てる際に極度額の設定が必要になるなど、実務的に重要な改正があるのも確かですので、関係する業務に携わる方は施行前に準備をしていく必要があるかと思います。我々も勉強して今後も情報提供をしていけるように頑張ります。
ではでは、長くなってしまいましたので、今回はこの辺で^^
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