会社設立や相続の事なら杉並区荻窪の税理士法人茂木会計事務所

東京都で相続をお考えの方は、杉並区の税理士法人茂木会計事務所までご相談ください。

初回相談料 無料! 「ホームページを見た」とお伝えください 03-3393-0002 受付時間 平日9:00~17:00
お問い合わせフォームはこちら

税務ブログ

2017年11月8日 水曜日

飲食店経営で重要とされる指標について

ご訪問頂きありがとうございます。
私事ですが、先日初めて香川県に行って参りました。
香川県と言えば、うどん。というイメージはあったのですが、実際に食べてみて、そのレベルの高さと安さに驚愕致しました。
普段、私はあまり好き好んでうどんを食べないのですが、今回の訪問では2日で3食も食べてしまう程に美味しかったです。
そこで今回は、『なぜ香川県のうどんは高品質にもかかわらず低価格で商品が提供できるのか?』という個人的な好奇心をもとに、飲食店経営で重要とされている指標について簡単にご説明したいと思います。

・原価率はどれくらい?
飲食店の原価率は3割くらいが目安と言われています。
色々と調べてみると、うどん屋さんの原価率は全国平均で31%くらいのようです。
但し、私が香川で食べたうどんは出汁が非常に奥深い味わいでしたし、麺も程よいコシの強さでなんとも言えない食感を味わうことのできるこだわりを感じたので原価率は一般より高いのではないかと想像します(ザックリ35%くらい?と仮定します)。
なんとも私的な意見ですが^^;
このように原価率を高くして高品質なものを提供する場合、他の費用を削減する、もしくは、原価率の低い別の商品を提供するなどの対策を講じなければ、その分だけ他の飲食店と比べてリスクの高い商売をしていることとなります。

・FLコストはどれくらい?
原価率の他に、飲食店の財務分析では『FLコスト』『FL比率』というものが活用されることが多いです。
『F』はFoodで材料費、『L』はLabor(労働)で人件費を意味します。
FLコスト=材料費+人件費
FL比率=FLコスト/売上高

ということになります。
このFL比率は60%前後が目安と言われています。
私の行ったうどん屋さんは私が数えたところ15人くらいは同時に働いていたと思います。また、営業時間は9~17時でしたので、準備や片付けなど含めると実際の実働時間は12時間くらいでしょうか?
四国のうどん屋さんのパートの時給は900円くらいのようですので、単純に計算をすると休日における1日の人件費は、
900円×15人×(9+3)時間=162,000円/日くらい
ということになりそうです。かなりアバウトですが・・・
平日もお昼時は行列ができるようですが、さすがに休日ほどの混み方ではないと思いますので、これまたアバウトですが休日の7割ほどの方が働いているとして、1週間の人件費の1日当たりの平均額を計算してみます。
尚、このうどん屋さんは平日のうち2日が休業日です。
{162,000円×2日(土日)+162,000円×70%×3日(平日)}÷5日
=132,840円/日
原価率が35%と仮定すれば、FL比率を標準値にするためには売上に対する人件費の比率は25%前後が望ましいという計算になりますね。
つまり上記の1日当たりの人件費から逆算すると1日当たりの売上目標は下記の通りになります。
132,840円/日÷25%=531,360円/日

・お客さんは1日何回転する?
私が観察したところ座席数は120席あり、滞在時間は20分くらいが平均かと思いますので、単純にお客さんは1時間に3回転することになります。
また、午後2時半になっても行列ができるほどの繁盛ぶりでしたので(この時間での行列は珍しくないとのこと)、営業時間のうち半分以上(6時間と仮定)は満席、残りの3時間も8割くらいはお客さんが入っていると仮定します。
単純に全員が1杯ずつうどんを食べるものとして考えると、休日に出るうどんの数は、
120席×3回転×6時間+120×80%×3回転×3時間=3,024杯/日
平日も加味する必要がありますので、人件費の場合と同様のやり方で1週間に出るうどんの数の1日当たりの平均数を計算します。
{3,024杯×2日(土日)+3,024杯×70%×3日}÷5日=2,480杯/日
さらに、ここのお店のうどんは小サイズで250円、大サイズで350円だったので、平均を取って1杯当たり300円として1日の売上高を計算すると、
300円×2,480杯=744,000円/日となりますので、1日当たりの売上目標は達成してそうですね。

・きっと儲けは出ていそうだが・・・(結論)
上記の仮定が正しければ(正しくないと思いますが・・・)、売上に対する人件費の比率は17.8%ということになり、FL比率は52.8%ということになりますので、一定の利益はしっかりと確保していそうです。
圧倒的な回転率が数値に反映されていると言えます。
但し、従業員全員がパートさんである前提で計算しましたが、実際には正社員に対する給与が発生している可能性は高いですし、このお店は160台分の駐車場や広い店舗の維持費など、他の店舗と比べて固定費は高止まりしそうなので、今回の前提の上ではこれくらいの比率でないと経営は難しいのかもしれません。

さてさて、今回は私の趣味ブログのような内容になりましたが、たまにはこういう内容も良いかと思って書いてみました。
財務分析で重要なことは出てきた数値に関する因果関係を追及することですね。
ではでは、最後までお読み頂きありがとうございました。

投稿者 税理士法人茂木会計事務所 | 記事URL