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税務ブログ

2020年1月30日 木曜日

基礎控除と給与所得控除の改正について

こんにちは!税理士の高橋です。
早いもので1月ももう終わってしまいますね。
いよいよ確定申告シーズン到来だなぁと感じずにはいられません。
繁忙期到来です。本年も頑張ります!
さて、年初めの挨拶が遅くなりましたが、本年も何卒よろしくお願い致します。

今回は基礎控除と給与所得控除の改正について説明致します。

〇令和元年分までの基礎控除と給与所得控除
基礎控除というのは、納税者一律に要件なしで認められる所得控除のことです。
令和元年分までは一律38万円の基礎控除という所得控除が認められています。
また、給与所得控除というのは給与所得を計算する際に、給与収入から控除されるものです。
つまり、給与所得=給与収入-給与所得控除ということです。
給与所得控除は下記の図のとおり、給与収入の金額に比例して増加します。
ポイントは最低でも65万円の控除が受けられるという点と給与収入が1,000万円を超えると給与所得控除が上限の220万円で頭打ちとなる点です。
基礎控除・給与所得控除の両方とも今年(令和元年分)の確定申告までは上記の説明のとおりとなり、改正は来年(令和2年分)の確定申告からとなります。

〇103万円の壁の意味
ここで少し脇道にそれますが、奥さんがパートで働く際に旦那さんの扶養に入るために103万円以下しか働けない、というルールは多くの方が承知されているかと思います。
しかし、なぜ103万円なのかを理解している方はそれほど多くないようです。
103万円というのは基礎控除額38万円と最低の給与所得控除額65万円の合計額なのです。
給与収入が103万円以下であれば、奥さんに税金がかからない。
なぜなら、給与所得=103万円-65万円=38万円、ここから基礎控除38万円を控除するので課税されるべき所得は0円となり、税金がかからないということです。
つまり、税金がかからない範囲の収入しかない人については扶養として認めましょう。ということになっているわけです。
尚、奥さんがフリーランスで雑所得や事業所得など給与所得以外の所得がある場合には、103万円の壁は忘れて頂いて、奥さんの合計所得金額が38万円以下であるかどうかによって扶養となるかどうか判断することになりますのでご注意ください。
また、社会保険の扶養の要件と税務上の扶養の要件は別モノですので、その点もしっかりと区別して把握する必要があることを付け加えておきます。

〇令和2年分以降の基礎控除と給与所得控除
令和2年分からは基礎控除の金額が38万円から48万円に増額します。
但し、合計所得金額が2,400万円を超える場合には段階的に控除額が減額され、2,500万円を超えたところから基礎控除は0円となることとなりました。
また、給与所得控除については、下記の図のとおり全体的に10万円ずつ減額となります。
よって給与所得控除の最低額も65万円から55万円に減額となります。
さらに、給与所得控除の上限が220万円から195万円に減額となっており、かつ、給与収入が1,000万円ではなく850万円を超えると給与所得控除が上限となるように改正されます。
控除が減るので増税となるわけです。
国が考える高額所得者の範囲が1,000万プレイヤーから850万プレイヤーまで広がったというところでしょうか・・・

〇令和2年分以降の103万円の壁について
結論から言いまして103万円の壁は令和2年分以降も健在です。
理由は扶養の要件が、対象者(先ほどの例では奥さん)の合計所得金額が38万円以下という要件から48万円以下という要件に改正されるためです。
つまり、令和2年分からは、
給与収入103万円-給与所得控除55万円=48万円≦48万円
∴扶養に入れることが可能
さらに給与所得48万円-基礎控除48万円=0円となり、税金がかからない範囲の収入しかない人については扶養として認めましょう。という考え方も変わっていません。
尚、今回の改正は給与所得以外の所得がある方にとっては嬉しい改正となっています。
なぜなら単純に基礎控除が増えるので減税になりますし、かつ、扶養にも入りやすくなるからです。

〇まとめ
今回は令和2年分における基礎控除・給与所得控除の改正について説明致しました。
国民の多くの方に影響する改正ですので、是非ご確認頂けたらと思います。
特に給与所得以外の所得がある方については知っておくと得することもあるかと思います。
それでは、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

投稿者 税理士法人茂木会計事務所 | 記事URL